こんにちは。コティマムです。
10年ほど文化・芸能系の記者をしていました。現在は在宅でライターをしています。
このブログでは在宅ワークやライターに関する記事を書いています。
今回は元記者の経験を活かし、ブログなどの文章を書く方やライターを目指す方に向けて、「あると便利なライターアイテム」をお伝えします。
ライターのマストアイテム
ライター・記者といってもジャンルはさまざまで、担当分野によって持ち物は変わってきます。まずはどの担当記者でも持っておくと便利なアイテムをご紹介します。
ブログを書く方にも役立つのではないでしょうか?
記者用語辞典:用語の手引き・記者ハンドブックなど
記者時代によく使っていて今も参考にしているのが、記者用語辞典です。共同通信が出版している「記者ハンドブック」や、朝日新聞が出している「朝日新聞の用語の手引き」などです。
これは表記や固有名詞などを確認するときに役立ちます。
例えば原稿を書く際、読みやすさなどの観点から、漢字表記ではなく平仮名で書くこと推奨されている言葉があります(子供→こども、真面目→まじめ etc.)。
平仮名表記のことを「ひらく」と言いますが、「この漢字はひらくべきか?漢字でOKか?」と迷った場合も、用語辞典が参考になります。
漢字と平仮名のどちらを使うべきか、送り仮名のつけ方、外来語の表記など、使うべき用事用語や漢字が載っているので、原稿を書く際にとても便利です。
出版社によってルールなどは少し違いますが、1冊持っていると役立ちますよ!
【商品】用語の手引き
【商品】記者ハンドブック
小さなノート・メモ帳
基本的に原稿はパソコンで打つので、会見取材などの机がある環境(パソコンが出せる環境)であれば、取材中にリアルタイムで内容をパソコンに打ち込むことも多々あります(その方が早く記事を書いて出せるので)。
しかし取材によっては張り込みや囲み取材など、パソコンを持ったままの取材が難しいこともあります。その際はノートなどに走り書きで内容をメモします。なのでノートも記者のマストアイテムです。
しかし担当部署によっては、ハンディタイプのビデオカメラで撮影をすることも。
その際、大きいノートは意外と邪魔になってしまいます。
ポケットになどに入る小さなメモ帳であれば簡単に取り出せて、使いやすいです。
インタビューが多い芸能・文化系の記者はB5やA4サイズのノートを使用することが多いですが、サイズが小さい方が使い勝手がいいです。大きいノートの場合も、ページを半分に折り、1ページで2スペース分使えるように工夫している人が多いです(小さい字でたくさん書けるので節約にもなります)。
警察担当や政治系の記者は小さなメモ帳を使っている印象です。
文化・芸能系の現場で役立つライターアイテム
コティマムは文化・芸能系の記者だったので、芸能イベントや会見などの取材によく行っていました。映画の舞台あいさつ、舞台や歌舞伎の会見・ゲネプロ(公開稽古)、CM発表会、ドラマ制作発表、商品発表会などのほか、葬儀や告別式、芸能人の自宅張り込み、裁判所の傍聴など、さまざまな現場に行っていました。
基本的にインタビューや会見、囲み取材などが多いですが、野外のライブや張り込みも発生するので、常にパソコンとカメラを持ち歩いていました。取材後は会社に戻らず近隣のカフェや原稿が書けそうなスペースですぐに執筆し、アップしていました。(時には道端で立ったままパソコン開いて書いた事も……)
当時を振り返って、「あって良かったな」と思う取材アイテムをご紹介します。
ボイスレコーダー
これはある意味、ライターにとって「マストアイテム」ですが、担当する分野によっては使えない場合があるため、「文化・芸能の現場で役立つアイテム」の方に入れました。
文化・芸能の現場ではインタビューや会見など長時間の取材をすることが多いため、すべての内容を記憶することは難しいです。ボイスレコーダーがあれば、ひとまず取材中の様子を録音できるため、後で事実確認や固有名詞を再確認できます。
もちろん記者は、いちいちボイスレコーダーの中身を全て聞き返す時間などありません。(記事の出し日までに余裕があって、長編のインタビューなどの場合はきちんと聞き返しますが)。たいていは、取材をしながら記事の構成を頭の中で組み立て、使い所のコメントや重要なポイントなども現場で抑えています。
ですが、「使い所はここだけど、その前後でどんなことを話してたっけ?」と振り返りたい時や、詳細を思い出したい時はボイスレコーダーの存在が役に立ちます。
一方で、裁判所の傍聴取材などは録音が禁止となっているので、ボイスレコーダーの持ち込みもNG。警察担当の記者も警察官とのやり取りの録音は禁止されているので、使えません。会話をしっかり記憶する必要があります。
折りたたみイス
折りたたみイスは、野外のイベントや張り込みの時に役立ちます。
イベントやコンサートなどの現場では、ステージの前に記者とスチールカメラマンのエリアがあり、観客をはさんで後方にムービーカメラマンが並びます。
野外の場合は地べたに直に座ることもあるので、簡易的な小さな折りたたみイスがあると便利です。イスに座れば体勢も安定しますし、疲れません。
また人混みの中で写真を撮る際も、イスを足場にすれば高さが稼げるので埋もれることもありません。
文化・芸能系の記者は張り込みも多く、ベンチや休憩所、カフェなどが近くにない住宅街のど真ん中や、病院や葬儀場の真ん前で何時間も立っていることもしばしば。折りたたみイスがあれば座って休むこともできます。
セルカレンズ
セルカレンズは、スマートフォンに取り付けることができるカメラレンズのことです。
基本的にテレビ局や新聞社の取材の場合、現場には撮影専属のカメラマンがいるので、記者が撮影の心配をすることはあまりありません。ですが、記者も一応コンパクトカメラを持参して、撮影は行います。スマホのカメラも最近は高性能のものが多いので、スマホで高画質の撮影することも可能です。
取材時の撮影というと、一眼レフなどの良いカメラを構えている印象が多いですが(カメラマンはもちろんプロ仕様のカメラです)、スマホで撮影が完全NGな訳ではありません。
スマホで撮影する際に便利なのがセルカレンズです!広角レンズやマクロレンズなど種類も豊富なので、自分のスマホで高画質の写真を撮ることができます。
ライター必携の雨対策アイテム
野外の取材時に記者を悩ませるのが、雨。特に文化・芸能系のイベントは野外で行われることも多く、取材エリアで傘をさすことができない場面もしばしば。急な雨や梅雨シーズンに対応できる雨対策アイテムは必携です!
レインコート
これはもうマストアイテム。大きめなレインコートやポンチョだと尚良しです。野外コンサートなど、ひたすら濡れます。しかも傘はさせません。頭からすっぽり覆うことができる大きいレインコートやロングポンチョを忍ばせておきましょう。
レインカバー
レインカバーも必須です。カバンやパソコン、カメラなど大事な仕事道具を覆うレインカバーがあると便利です。雨をしのぐ屋根などが無い場合は、最悪、地べたに荷物を置くことになります。荷物を丸ごと包むことができる、防水加工のレインカバーがあれば、なんとか仕事グッズを守ることができます。撮影時もカメラをカバーで包んだ状態で持てば、雨に濡れる心配はありません。
大きめのゴミ袋
雨の時に意外と使えるのが、大きめのビニール袋です。レインカバーが準備できなかった時、とりあえず大きめのゴミ袋かビニール袋があれば、お仕事グッズを丸ごと包むことができます。ゴミ袋1枚なら、ひとまず畳んだ状態でいつでもカバンに入れておけるので、意外と重宝します。
コティマムはママチャリに乗る時に雨が降ってきた時も、カバンに忍ばせているゴミ袋で荷物をカバーしてます。実生活でも雨対策に使っています。
ライター必携の季節対策アイテム
記者にとって、暑さ&寒さ対策も必須事項。特に張り込みや、通夜・葬儀取材などは、屋外に長時間待機する場合が多く、真夏や真冬は過酷です。夏場は熱中症の危険があり、冬場は足先が冷えて、立ち続けるのがしんどいほど痛みが出てくることもあります。暑さ、寒さ対策も忘れないようにしましょう。
瞬間冷却材
夏場は「アイスノン」のような、持ち運びできる瞬間冷却剤あると便利!袋を強く叩けば瞬時に冷たくなるため、首筋などをすぐに冷やすことができます。
日差しがジリジリと照りつけ、コンクリートの照り返しや蒸し暑さをダイレクトに感じる夏場の野外取材や張り込みでは、少しでも体を冷やすことが大切です(もちろん水分補給も!)。現場によっては、主催者側が用意して配ってくれることもあります。
ミニ扇風機
ハンディタイプのミニ扇風機も、夏場にあると助かるアイテムです。炎天下の中の長時間の取材や移動、張り込みは、体に熱が溜まってどんどん暑くなります。待ち時間の間に少しでも風を遅れるミニ扇風機は、夏場の味方です。
使い捨て携帯カイロ&足先用のカイロ
冬場の野外取材で必携なのが、使い捨て携帯カイロ。足先用の貼るカイロもマストです。
冬場の張り込みや、通夜・葬儀取材などは、とにかく極寒の中で待ち続けたり、取材をすることがしばしば。ペンとメモ帳を持つ指先がかじかみ、キレイに文字を書くのも難しくなります。長時間立ち続けていると、足先がじんじんと痛みだすことも。
手持ちタイプのカイロや、腰やお腹に貼るカイロはもちろん、靴下に貼る足先用のカイロもあると便利です。
番外編:警察担当記者に聞いた役立つライターアイテム
コティマムは警察担当記者は経験がないのですが、仲間の記者の警察担当に聞いたマストアイテムは、また少し違いました。今回は番外編で少し紹介します。
ちなみに警察担当記者は、事件や事故、火事などが発生した際に現場へ急行し、詳しい状況について警察に取材をかけます。「地取り」といって現場で目撃者を探したり、当事者や関係者を探す取材や、警察官から情報を聞き出すために警察幹部の自宅や官舎などに朝晩通います。いわゆる「夜討ち」「朝駆け」というやつです。
文化・芸能担当記者とは取材対象が全く異なりますね〜。
ゼンリンの地図
「ゼンリン」とは、株式会社ゼンリンが出版している地図です。本とデータの2タイプあり、データの方は新しい道路や店舗、居住者などが更新され最新の情報が掲載されています。
なぜ「ゼンリン」の地図が必要なのか?
まず事件が発生した場合、警察から事件の概要が発表されます。発生日時、場所、被害者の有無、通報内容などです。記者はこれらの情報を元に現場へ向かい、まずは第一発見者や通報者など、目撃者探しをしなければいけません。通行人や近所の人に聞き込みも行います。
そして「犯人が逮捕」された場合、再び警察から被疑者に関する情報が発表されます。氏名、年齢、職業、逮捕容疑、認否、場合によっては勤めている会社などです。
警察担当記者は被疑者の周辺取材、いわゆる「地取り」を始めます。
被疑者がどんな人物なのか?生活環境は?対人関係は?これらを知ることで事件の背景が見えてくることがあります。
ここで役に立つのが「ゼンリン」の地図です。「ゼンリン」のデータタイプには最新の情報が掲載されているほか、「名前」で場所を検索することもできます。例えば、「関係者の名前はわかったけれど、◯◯市内のどこに家があるかわからない」といった際に、「ゼンリン」を利用すればある程度場所を絞ることができるのです。現場周辺を手当たり次第取材する必要もなくなり、効率もあがります。
(いや〜、警察担当記者ってすごいなー!!)
・【公式サイト】ゼンリン(※情報の検索は有料です)
https://www.zenrin.co.jp/
虫除けスプレー
警察担当記者につきものの張り込み。警察担当の場合は、事件や事故の現場も多いので、張り込み場所が山や田畑であることも……。また緑の多い公園など、自然の中が多かったりします。そういう時に虫除けスプレーは必須です。夏場は蚊も多いので、重宝します。
黒いスニーカー
芸能・文化系の記者は、割と服装規定は緩め。ですが警察担当の男性記者は基本的にスーツと革靴です。女性もスラッグスが多い印象です。
しかし「地取り」で1日中歩きまわる時に、革靴では足が痛くなることも。そんな時はスニーカーに履きかえますが、派手めな色ではなく、黒色を選ぶ人が多いようです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は元記者のコティマムが、取材時にあって便利だったライターアイテムをご紹介しました。芸能・文化系と警察担当ではまた必要なものがガラッと違います。
本職ならではのアイテムもあり、在宅ライターの場合「こんな取材しねーよ!」と思われる方もいるかもしれません(すみません)。ただ、記者用語辞典やセルカレンズなどは、文章や商品紹介などを書くのが好きなブロガーさんや、在宅ライターの方にも役に立つのではないでしょうか?
また現場でのアイテムなどは、これから記者を目指す方や、現場取材なども行ってみたいライターさんの参考になればと思います。
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