在宅ライターのコティマムです。
新型コロナウイルスにより、さまざまな業界の経済状況に影響が出始めています。
中小企業や個人事業主、フリーランスの方も打撃を受けています。
このブログでは、コロナの影響を受けている中小企業・個人事業主・フリーランスをサポートする「持続化給付金」についてお伝えしてきました。
そしてこの度、5月1日からついに「持続化給付金」の申請がスタートしました。特設サイトがすでにオープンしており、ここから申請できます。コティマムも早速してみたのですが、思ったより簡単に、スピーディーに申請できました!
5月、6月は問い合わせのフリーダイヤルやLINEも休日関係なく毎日受け付けています。
今回は最新情報とともに「持続化給付金」の申請方法について解説します。
改めて「持続化給付金」とは何か?
「持続化給付金」とは、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている事業者に対して支給される給付金のことです。
経済産業省のホームページでは「事業の継続を下支えし、再起の糧」とするために「事業全般に広く使える給付金」としています。
支給対象者は?
持続化給付金の支給対象になるのは以下の方です。
・新型コロナウイルスの影響で「売上が前年同月比で50%以上減少している者」
・資本金10億円以上の大企業を除く、中堅企業・中小企業・小規模事業者・フリーランスを含む個人事業者
・医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人などの会社以外の法人
また、
・資本金の額又は出資の総額が10億円未満であること
・資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2,000人以下であること
・2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること
・2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月が存在すること
支給額と計算方法は?※白色申告の方は変更あり!
支給額の計算の仕方については、少し変更点があります。
支給額
まず支給額ですが、
・法人は上限200万円
・個人事業主は上限100万円
(昨年1年間の売上からの減少分を上限とする)
そしてこれは10万円未満は切り捨てとなります(後述します)。
支給額の計算方法と対象月の考え方
売上減少分の計算方法は以下の通りです。
「前年の総売上(事業収入)−(前年同月比 ▲50%月の売上×12ヵ月)」
前年度の同じ月からマイナス50%、つまり半減した売上を、前年の総売上から差し引くのです。ここでいう「事業収入」とは、経費などを差し引いていない「総売上」のことです。例えば2019年の売上が400万円あって、経費が100万円だった場合、実際の所得は「400万円−100万円」で300万円になりますが、ここでの「事業収入」は経費を引かない400万円で計算します。
前年同月よりマイナス50%の対象月ですが、「2020年1月から2020年12月の中で、2019年の同月比で売上が50%以上減少した『ひと月』を、事業者が選択する」としています。2020年5月4日の現時点であれば、2020年1月から4月までの売上の中から、昨年同月よりマイナス50%になっている月があれば申請することができます。
仮に、2019年と2020年の4月までの売上が下記のようだった場合。
・2019年1月 25万 2月35万 3月25万 4月30万
・2020年1月 25万 2月25万 3月13万 4月15万
1月は変動なし。2月は−10万ですが半減なし。3月は−12万ながらギリギリ半減なし。そして4月は−15万で半減です。ここでいうと4月は申請の対象になります。
白色申告者は「月の平均額の−50%」に変更
だたしここで変更点があります。上記は法人や青色申告者など、昨年の各月の売上がわかっている人たちの場合です。コティマムのようなフリーランスの白色申告者は、確定申告していますが、控え上では年収しかわかりません。もちろん自分で帳簿をつけていますが、確定申告上では昨年の月ごとの売上は確認できません。
そのため白色申告者は、2019年度の総売上を12ヵ月で割り、月の平均額を出します。例えば2019年度の総売上が400万円だった場合、
400万円÷12ヵ月=33.333…で、月ごとの平均額は33万円になります。
そしてこの月平均額を50%マイナスし、半減額よりも下回っていた月があれば申請可能になります。
この場合、33万円÷2=16.666…ですので、2020年の1月から4月までの間で16万円を下回っている月があれば申請できます。純粋に昨年同月からマイナス50%ではないので、青色申告者より少しハードルが上がります。
先ほどの月ごとの例と照らし合わせてみると、
・2019年1月 25万 2月35万 3月25万 4月30万
・2020年1月 25万 2月25万 3月13万 4月15万
2020年4月は15万円でギリギリ16万円を下回っているので、白色申告の方もこの場合4月は申請可能です。
上記の例を「前年の総売上(事業収入)−(前年同月比 ▲50%月の売上×12ヵ月※法人&青色申告者)/(昨年の月の平均売上比▲50%月の売上×12ヵ月※白色申告者)」
に当てはめてみましょう。
事業所得を400万円として、半減した2020年4月分で計算してみます。
「400万円—(半減月の15万円×12ヵ月=180万円)=220万円」
フリーランスの給付金は上限が100万円なので、この場合は220万円で上限を超えています。つまり上限の100万円を受け取ることができます。法人の場合は上限200万円なので、200万円を受け取ることができます。
支給額は10万円単位。10万円未満は切り捨て
上記の計算では上限の100万円、200万円がもらえましたが、支給額は10万円単位となります。例えば計算後の数字が81万円など、十の位以下が0にならない場合ももちろんありますが、その場合は10万円未満の数字は切り捨てとなります。
つまり計算した数字が81万円でも89万円でも、支給額は80万円です。
申請前に事前に準備しておくものは?
申請は基本的に特設サイトのwebを通して行うため、資料のアップロードが必要になります。pdf、jpeg、xls、pngなどのファイルであれば添付できます。スマートフォンで撮影した写真でもOKです。
申請フォームを入力し始めてから書類をファイル化するのは大変なので、申請前に写真撮影やスキャンなどをしておきましょう。
必要書類は以下の通りです。
〜法人の場合〜
①法人番号
②2019年度の確定申告書類の控え
③減収月の帳簿
〜個人事業主の場合〜
①2019年度の確定申告書類の控え
②売上減少となった月の売上台帳の写し
→エクセルのデータなど、自社や個人で記録しているもの
③通帳の写し
→スマホで撮影したものでOK
④身分証明書の写し
→スマホで撮影したものでOK
確定申告の控えは「収受印」が必要
2019年度の確定申告書類の控えに「収受印が押印されているもの」が必要です。窓口で確定申告をした場合は控えに税務署の受付印が押してあります。また窓口でe-Tax申請した場合、受付印ではありませんが、受付日時と受付番号が印字されている控えを渡されます。自宅からe-Tax申請した場合は、e-Taxホームページからマイページに届く「受信通知」が証明となります。これらはそのまま添付書類として使えるので、スキャンや写真撮影をしておきましょう。
もしどれもない場合、法人では「税理士による押印及び署名がされている月ごとの事業収入を証明する書類」が、個人事業主やフリーランスでは税務署が発行する「納税証明書」が代わりになります。「納税証明書」は確定申告した税務署の窓口か、オンライン申請で発行可能です。
売上減少となった月の売上台帳の写しのスタイルは自由
青色申告者の場合はもともと月ごとの売上の帳簿をつけていると思うので、そのファイルで対応できます。
白色申告者の場合は、昨年の月の売上からマイナス50%の計算をする必要はありませんが、どちらにしても申請画面では「昨年の同月の売上」を記入する必要があります。そのためエクセルなどで昨年と今年の「月ごとの売上」をまとめておきましょう。申請では「今年の月ごとの売上」がわかる書類があれば大丈夫です。コティマムもエクセルで今年の月ごとの売上をまとめました。
特設サイトからいざ申請!
申請書類をそろえ、それぞれスキャンか写真撮影をしてファイル化したら、いざ申請スタートです。
申請の流れ
①まずは特設ページにアクセス
〜「持続化給付金」特設サイトはこちら〜
②仮登録:申請ボタンを押してメールアドレスを入力します→本登録用メールが届く
③本登録:登録したメールアドレスに届くメールから本登録を行う
④ID、パスワードを設定して「マイページ」を作成。「マイページ」から宣誓。その後、基本情報や売上額、口座情報などを登録する。
⑤必要書類を添付(アップロード)する
となります。
入力する基本情報
web申請画面で項目する内容です。法人と個人事業主では項目が少し違うので、実際にサイトで確認してください。
①法人番号(※法人のみ)
②屋号、称号、雅号
→フリーランスなどで屋号がない方は、本名で。コティマムも本名を記入しました。
③本店所在地(住所)
④書類送付先(本店所在地と同じ場合は省略OK)
⑤業種(日本産業分類)
→画面上で選択します。自分の仕事のジャンルを選びましょう。
⑥開業年月日
→法人や開業届を出している方は開業年月日を記入。フリーランスで特に開業届を出していない人は、フリーランスの仕事を始めた時期を記入。
⑦資本金(※法人のみ)
⑧従業員数(※法人のみ)
⑨代表役職
⑩代表者氏名
⑪代表電話番号
⑫担当者氏名
⑬担当者電話番号
⑭担当者携帯番号
⑮担当者メールアドレス
⑯直近年度の売上金額
⑰決算月(※法人のみ)
⑱今年の売上減少月の金額
⑲口座情報
昨年の売上と申請対象月(前年同月比マイナス50%月)の売上を入力
基本情報や給付金の振込み用口座の登録を行うと、売上状況を入力する画面に進みます。ここで先に書いた2019年の総売上や、今年の月ごとの売上額などの数字が必要となります。計算は自動で行われますが、数字を入力する必要があるので、間違えないようにしましょう。
必要な数字を入力し、確定申告の控えなど必要書類のアップロードが終われば、申請は完了。申請ボタンを押すと「ご申請ありがとうございました」の文字とともに、申請番号が与えられます。
この申請番号があれば、特設ページから自分の申請内容を確認することができます。
申請期間と支給までの日数
申請期間は2020年5月1日から、来年2021年1月15日の24時までです。
給付は申請から約2週間後を予定しているとのこと。
思ったより早く支給されるのでありがたいですね。
申請時に注意すべき点&使いやすかった点
必要書類を早めに&事前に用意しておくべし!
必要な書類さえ集めておけば、申請にはそこまで時間はかかりません。確定申告のように領収書や源泉徴収票を用意する必要もないため、最低限の書類さえそろっていればすぐに申請できます。
ただアップロードが必要なので、「事前に写真を撮る」「スキャンしてpdfファイルにしておく」などを行っておきましょう。
申請月は吟味する
持続化給付金の対象として必要な「前年同月比マイナス50%(白色申告者は2019年の月平均から−50%)」は、2020年1月から12月の間で申請者側が選びます。12ヵ月の間で前年同月より「マイナス50%」になった月がいくつかあった場合、どの月を選ぶかは自分で決めることができるのです。
減少額が大きくなるほど給付金の額は増えるため、どのタイミングで申請するかはよく考える必要があります。もちろん、「もう今すでに余裕がない!」という方は5月中に申請してしまいましょう。逆に5月以降からの収入が激減することがわかっている場合は、もう少し申請タイミングを遅らせましょう。
申請時間帯に要注意
「持続化給付金」の特設サイトは、朝2:00〜3:00の間にシステムメンテナンスに入ります。コティマムは一度、申請ボタンを押した瞬間に2:00になってしまい、エラーが発生しました。3:00以降に申請したら大丈夫でした。メンテナンスの時間帯には気をつけてください!
LINEからの問い合わせを活用すべし!
今回コティマムが感動したのは、問い合わせで「LINE」が使えたことです。質問したいことがあったので問い合わせ用のフリーダイヤルに電話しましたが、全くつながらなかったんです。
その時、特設サイトから目についたのが「LINE」のQRコード。スマホで読み込むと友達追加され、基本的な質問内容については項目を選ぶと自動で説明文が送られてきます。
それでもまだ悩みが解決しない場合は、「オペレーターを呼び出す」機能が使えます。てっきりここからまた「電話」になるのかと思ったのですが、「オペレーター」がLINEで対応してくれました。電話を待つよりよっぽど早く、聞きたいことを直接質問できました。
「オペレーター」のLINE対応は丁寧!おそらくこちらの質問を、「オペレーター」が担当部署に問い合わせて返信してくれているようです。質問内容によっては返信に時間がかかりますが、こちらの質問が「既読」になっていることもわかります。また「確認を行っておりますので、お待ちいただけますと幸いです」と送ってくれるので、イライラせずに待つことができました。
フリーダイヤルよりLINE問い合わせの方が断然オススメです!
まとめ
今回は、ついに申請スタートした「持続化給付金」についてまとめました。
コティマムも実際に申請しましたが、想像していたより簡単に申請できました。確定申告をやっている方なら、それに比べるとだいぶ楽だと思います。
まだ始まったばかりで問い合わせも多く、システムエラーなども起こっているようですが、基本的には必要書類さえ揃えてしまえば、あとは指示通り入力するだけです。
コロナで影響を受けている中小企業、個人事業主、フリーランスの方は、こうした支援を使ってなんとか乗り越えていきましょう!
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